11月の対象作品はこちら

冬の気配はもうすぐそこまで。

心がほっこり暖かくなるようなストーリーや大いなる地球のいのちを感じるような、そんな作品を11月はお届けします。今月も映画館で待ってます。


浜の朝日の嘘つきどもと

いらっしゃいませ、ようこそ映画館へ


[上映日程]2021年11月8日(月) 10:00~

100年近くの歴史を持つ福島・南相馬の映画館「朝日座」。ある日、茂木莉子と名乗る女性が支配人の森田保造の前に現れる。莉子は、<経営が傾いた「朝日座」を立て直す>という高校時代の恩師・田中茉莉子との約束のため東京からやってきた。すでに閉館が決まり打つ手がないと諦めていた森田だが、見ず知らずの莉子の熱意に少しずつ心を動かされていく。果たして「朝日座」の運命やいかに……。


[2021年/日本/114分] 出演:高畑充希、柳家喬太郎、大久保佳代子、甲本雅裕、佐野弘樹、神尾佑、竹原ピストル、光石研、吉行和子 脚本・監督:タナダユキ


©2021 映画『浜の朝日の噓つきどもと』製作委員会


台風クラブ

2001年9月11日、アメリカ同時多発テロが発生。

その2日前、9月9日、映画監督・相米慎二が逝った。

あれから20年──。

いま、日本に相米慎二のような作家は存在しているのだろうか。

その、荒々しさ。

その、深さ。

その、美しさに圧倒される相米作品。


[上映日程]2021年11月8日(月) 13:30~

東京国際映画祭・ヤングシネマグランプリ作品。審査委員長、ベルナルド・ベルトリッチが絶賛。台風の日の校舎に閉じ込められた少年と少女。三浦友和が当時のイメージを大きく変えた作品としても印象的。


[1985年/日本/115分] 

出演:三上祐一、紅林茂、松永敏行、工藤夕貴、大西結花、金沢朋子、三浦友和


くじらびと

くじらと生きる


[上映日程]2021年11月22日(月) 10:00~


インドネシア・ラマレラ村。人口1500人の小さな村。住民は互いの和を最も大切なものとし、自然の恵みに感謝の祈りをささげ、言い伝えを守りながら生活をしている。中でもラマファと呼ばれるくじらのモリ打ち漁師たちは最も尊敬される存在だ。年間10頭獲れれば村人全員が暮らして村人を食べさせるために命を賭けて鯨に挑む男たちとそれを支える女たち。ラマファを夢見る少年エーメン。おとぎ話のような平和な村に、ある日大事件が起こった。


[2021年/日本/113分]PG12 監督:石川梵


©Bon Ishikawa


Shari

ヒトとケモノのあいだ 
すきまに生まれた、真っ赤なわたし。

[上映日程]2021年11月22日(月) 13:30~


羊飼いのパン屋、鹿を狩る夫婦、海のゴミを拾う漁師、秘宝館の主人、家の庭に住むモモンガを観察する人。彼らが住むのは、日本の最北に位置する知床半島。希少な野生動物が人間と共存している稀有な土地として知られ、冬にはオホーツク海沿岸に流氷がやってくる。だが、2020年、この冬は雪が全然降らない。流氷も、なかなか来ない。地元の人に言わせれば、「異常な事態」が起きている。そんな異変続きの斜里町に、今冬、突如現れた「赤いやつ」。そいつは、どくどくと波打つ血の塊のような空気と気配を身にまとい、いのちみなぎる子どもの相撲大会に飛び込む!「あらゆる相撲をこころみよう!」これは、自然・獣・人間がせめぎあって暮らす斜里での、摩訶不思議なほんとのはなし。現実と空想を織り交ぜながら紡がれるこの物語は、既存のイメージを打ち破り知床の新たな一面を浮かび上がらせる。


[2021年/日本/63分] 

監督・出演:吉開菜央 撮影:石川直樹 出演:斜里町の人々、海、山、氷、赤いやつ 


(C)2020 吉開菜央 photo by Naoki Ishikawa