3月の上映作品はこちらです

なんだかバタバタしているうちに年度末になってしまいました。

変化の多い年度末。出会いと別れの季節。春の芽吹きの季節です。

落ち着かない日々かもしれないけれど、そんな時こそ映画を観にきてくださいね。



岬のマヨイガ

2023年3月6日(月)10:00〜

“ あなたを信じる場所がここにある ”

迷った人を幸せにする伝説の家《マヨイガ》で17歳のユイが出会ったのは、ふしぎだけどあたたかい家族でした。


[INTRODUCTION]

居場所を失った17歳の少女・ユイ。彼女が辿り着いたのは、どこか懐かしさと共に温かみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ”だった。それは、“訪れた人をもてなす家”という岩手県に伝わるふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけど温かい共同生活が、新しい居場所“岬のマヨイガ”で紡がれていく。「魔女の宅急便」をはじめとした歴代受賞作でも知られる野間児童文芸賞を受賞した「岬のマヨイガ」を原作に、主人公・ユイを演じるのは(公開当時)自らも17歳になる国民的女優・芦田愛菜。心が優しく包み込まれる、ノスタルジック・ファンタジーがいま始まる──。

[STORY]

ある事情で家を出てきた17歳のユイと、両親を事故で亡くしたショックで声を失った8歳のひより。居場所を失った二人は、ふしぎなおばあちゃん・キワさんと出会い、海を見下ろす岬に建つふしぎな古民家“マヨイガ”に住むことに。なりゆきでキワさんに着いて来てしまった二人だったが、訪れた人をもてなす伝説の家“マヨイガ”、そしてキワさんの温もりに触れ、それぞれ傷ついた心は次第に解きほぐされていく。そんなある日、キワさんを訪ねて“ふしぎっと”と呼ばれる優しい妖怪たちがやって来て──。


[2021年/日本/105分]

出演:芦田愛菜、粟野咲莉、大竹しのぶ

原作:柏葉幸子「岬のマヨイガ」(講談社刊)

監督:川面真也

脚本:吉田玲子

キャラクターデザイン原案:賀茂川

ふしぎっとキャラクター原案:丹治匠

音楽:宮内優里

主題歌:羊文学『マヨイガ』F.C.L.S.(Sony Music Labels Inc.)

©柏葉幸子・講談社/2021「岬のマヨイガ」製作委員会



目の見えない白鳥さん、アートを見にいく

2023年3月6日(月)13:00〜


“ 俺たちが行くのは、点字ブロックのある道だけじゃない———
 その先にあるのは、自由とアートとアメイジングな日々 ”

全盲の美術鑑賞者・白鳥健二と友人たちによる
“言葉”と“アート鑑賞”をめぐるロードムービー!


[INTRODUCTION]

目の見えない人はどうやってアートを見るのだろう。

恋人とのデートがきっかけで初めて美術館を訪れた全盲の白鳥建二さん。その日、作品を前に語られる言葉を聞きながら「全盲でもアートを見ることはできるのかもしれない」と思うようになった。そして自らあちこちの美術館の門を叩いた白鳥さんは、いつの間にか「自由な会話を使ったアート鑑賞」という独自の鑑賞法を編み出した。それは、期せずして、目の見えるひとにとっても驚きと戸惑い、そして喜びを伴う体験であった。

本作は、そんな「全盲の美術鑑賞者」の20年を振り返り、その友人たち、美術館で働く人々、新たに白鳥さんと出会った人々を追い、彼らが紡ぎ出す豊かな会話を追ったドキュメンタリーである。

[STORY]

言葉は「見える」と「見えない」の隙間を埋められるのか?

水戸から東京、新潟、そして福島へ。アート作品をめぐりながら、白鳥さんは渡り鳥のように旅をしていく。カメラは、その旅路や見えない日常を追いかける。そして、白鳥さん自身もデジタルカメラを手に持ち新たなチャレンジへ。すると何かが少しずつ変わっていって……。答えのない問いを胸に抱えながら、分断の時代を生きるわたしたち。アートの力とはなにか。障害とは何か。見えないからこそ見えてくるものはあるのか。異なる背景の人々が一緒に作品を見て、語りあう、その意味とは──。「見える」「見えない」、障害と健常、アーティストと鑑賞者といった「線」を超えようとする人々。他の誰にもなれない孤独な存在同士が織りなす静かな波を映し出す。


[2022年/日本/16:9/STEREO/107分]

出演:白鳥建二、佐藤麻衣子、川内有緒、森山純子、ホシノマサハル、大政愛、猪苗代町の人々ほか

アニメーション:森下豊子、森下征治(Ms.Morison)

音楽:権頭真由、佐藤公哉(3日満月)

企画・構成:川内有緒

撮影・編集:三好大輔

監督:三好大輔、川内有緒

製作・配給:ALPS PICTURES INC.

© 2023 ALPS PICTURES INC.



ケイコ 目を澄ませて

2023年3月20日(月)13:00〜


“ 逃げ出したい、でも諦めたくない ”

愛想笑いが嫌いで嘘のつけないケイコ
耳が聞こえない彼女の心は“雑音”(まよい)だらけ


[INTRODUCTION]

本作は、聴覚障害と向き合いながら実際にプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんをモデルに、彼女の生き方に着想を得て、『きみの鳥はうたえる』の三宅唱が新たに生み出した物語。ゴングの音もセコンドの指示もレフリーの声も聞こえない中、じっと<目を澄ませて>闘うケイコの姿を、秀でた才能を持つ主人公としてではなく、不安や迷い、喜びや情熱など様々な感情の間で揺れ動きながらも一歩ずつ確実に歩みを進める等身大の一人の女性として描き、彼女の心のざわめきを16mmフィルムに焼き付けた。そして本年2月に開催されたベルリン国際映画祭でプレミア上映されるやいなや「すべての瞬間が心に響く」「間違いなく一見の価値あり」と熱い賛辞が次々に贈られ、その後も数多く国際映画祭での上映が続いている。

主人公・ケイコを演じた岸井ゆきのは、厳しいトレーニングを重ねて撮影に臨み、新境地を切り開く。ケイコの実直さを誰よりも認め見守るジムの会長に、日本映画界を牽引する三浦友和。その他、三浦誠己、松浦慎一郎、佐藤緋美、中島ひろ子、仙道敦子など実力派キャストが脇を固める。ケイコの心の迷いやひたむきさ、そして美しさ。全てを内包した彼女の瞳を見つめているうちに、自然と涙が込み上げてくる──。

[STORY]

嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコは、生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえない。再開発が進む下町の一角にある小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねる彼女は、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。母からは「いつまで続けるつもりなの?」と心配され、言葉にできない想いが心の中に溜まっていく。「一度、お休みしたいです」と書きとめた会長宛ての手紙を出せずにいたある日、ジムが閉鎖されることを知り、ケイコの心が動き出す──。


[2022年/日本/ヨーロピアンビスタ(1:1.66)/5.1ch/99分]G

出演:岸井ゆきの、三浦誠己、松浦慎一郎、佐藤緋美、中島ひろ子、仙道敦子、三浦友和

監督:三宅唱

原案:小笠原恵子「負けないで!」(創出版)

脚本:三宅唱、酒井雅秋

配給:ハピネットファントム・スタジオ

©2022映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS



秘密の森の、その向こう

2023年3月20日(月)10:00~


“ それは、8才のママだった———。”


時空を越えた、少女の出会いが浮き彫りにする女の深淵。
娘・母・祖母 三世代をつなぐ〈喪失〉と〈癒し〉の物語に胸が震える。


[INTRODUCTION]

<不滅の名作>と絶賛された『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督最新作!

各国の映画賞を席巻し、すべてのカットに美が宿る完璧な映像と忘れ得ぬ愛の物語を、世界中の人々が「生涯の一本」としてその胸に刻み付けた『燃ゆる女の肖像』。その名作を生み出したセリーヌ・シアマ監督が、真骨頂である女の深淵を描きつつ、全く新しい扉を開く最新作を完成させた。それは、8歳の少女を主人公にした、<喪失>と<癒し>の物語。各国の映画祭で惜しみない絶賛評を受け続けている。

ネリーとマリオンには、これが映画初出演となるジョセフィーヌ&ガブリエルのサンス姉妹。喪失という痛みを抱えた娘と母が、時空を超えて出会うことで見つけるものとは? 森の小道を抜けて二つの家を行き来する少女たちの小さな世界が、『燃ゆる女の肖像』でセザール賞撮影賞を受賞したクレア・マトンの映像と、シアマ監督が仕掛けたいくつもの“奇跡”によって、時空をも超える壮大な物語へと変わる特別な瞬間を体感!胸が震えるほどの深い余韻を約束する唯一無二の傑作がここに誕生した。

[STORY]

8才のネリーは両親と共に、森の中にぽつんと佇む祖母の家を訪れる。大好きなおばあちゃんが亡くなったので、母が少女時代を過ごしたこの家を、片付けることになったのだ。だが、何を見ても思い出に胸をしめつけられる母は、一人どこかへ出て行ってしまう。残されたネリーは、かつて母が遊んだ森を探索するうちに、自分と同じ年の少女と出会う。母の名前「マリオン」を名乗るその少女の家に招かれると、そこは“おばあちゃんの家”だった──。


[2021年/フランス/ビスタ/5.1ch/73分]G

監督・脚本:セリーヌ・シアマ

出演:ジョセフィーヌ・サンス、ガブリエル・サンス、ニナ・ミュリス、マルゴ・アバスカル

原題:Petite Maman

字幕翻訳:横井和子

© 2021 Lilies Films / France 3 Cinéma