9月のラインナップはこちら!

こんにちは、うえだ子どもシネマクラブです。

暑い日がまだまだ続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

学校がちらほらはじまっている様子も見られますが、

この夏を乗り切っただけで、なんだか達成感がありますね。

9月のシネマクラブも充実したラインナップをお届けしますので

ぜひみなさま休みに来ていただければと思います。


バカ塗りの娘 

2023年9月4日(月)10:00〜

※鶴岡慧子監督(上田市出身)の舞台挨拶あります!

“ ひたむきに塗る。ひたむきに生きる。”

塗っては研いで、塗っては研いでを繰り返す———

日本が誇る伝統工芸津軽塗が繋ぐ父娘の物語。


[INTRODUCTION]

海外では「japan」と呼ばれることもある“漆”。世界中から注目を集める漆器は、日本人の暮らしに欠かすことのできない、大切な日用品であり、芸術品。本作では青森の津軽塗のひとつひとつの工程を丁寧に映し出し、津軽塗職人を目指す娘・美也子と寡黙な父・清史郎が、漆や家族と真摯に向き合う姿を描く。

主人公・美也子役に堀田真由。将来への不安やほのかな恋心に心揺れる等身大の女性をたおやかに演じる。津軽塗職人の父・清史郎には、日本映画界には欠かせない俳優、小林薫。二人は実際に地元の職人から津軽塗の技法を教わり撮影に挑んだ。監督は、初長編作『くじらのまち』でベルリン国際映画祭、釜山国際映画祭などの映画祭で高い評価を得たのち、西加奈子の小説『まく子』の映画化も手掛けた鶴岡慧子。

四季折々の風景や、土地に根付く食材と料理、人々の「魅力」を織り交ぜながら、つらい時、楽しい時を塗り重ねるように日々を生きる父娘が、津軽塗を通して家族の絆を繋いでいく。


[STORY]

青木家は津軽塗職人の父・清史郎と、スーパーで働きながら父の仕事を手伝う娘・美也子の二人暮らし。家族より仕事を優先し続けた清史郎に母は愛想を尽かせて出ていき、家業を継がないと決めた兄は自由に生きる道を選んだ。美也子は津軽塗に興味を持ちながらも父に継ぎたいことを堂々と言えず、不器用な清史郎は津軽塗で生きていくことは簡単じゃないと美也子を突き放す。それでも周囲の反対を押し切る美也子。その挑戦が、バラバラになった家族の気持ちを動かしていく──。


『バカ塗りの娘』

[2023年/日本/ビスタ/5.1ch/118分]

出演:堀田真由、坂東龍汰、宮田俊哉、木野花、坂本長利、小林薫、ほか

監督:鶴岡慧子

脚本:鶴岡慧子、小嶋健作 

原作:髙森美由紀「ジャパン・ディグニティ」(産業編集センター刊) 

配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ

(C)2023「バカ塗りの娘」製作委員会



The Son/息子

2023年9月4日(月)13:30〜


“ 父さん、助けて。僕は何かがおかしい——— ”

完璧な親はいない。そして、完璧な子供も。

愛しているのに届かない親と子の〈心の距離〉を描く、衝撃と慟哭の物語


[INTRODUCTION]

初監督作『ファーザー』で、斬新な表現スタイルが絶賛され、アカデミー賞®脚色賞を受賞したフロリアン・ゼレール。その最新作が、自身の戯曲を原作にした家族3部作の第2部である本作だ。完成した脚本に惚れ込んだヒュー・ジャックマンが、自ら名乗り出て主演と製作総指揮を務め、さらに『ファーザー』で2度目のアカデミー賞®に輝いたアンソニー・ホプキンス、『マリッジ・ストーリー』で同賞を獲得したローラ・ダーンなど、現代のエンタテインメント界におけるトップが共演を果たした。

互いを理解していると信じ、ごく当たり前の日常を送っていた家族に、突然起こる異変。それは私たちにとっても、決して他人事ではない。ヒュー・ジャックマンが、「このテーマをここまで美しく、そしてはっきりと描き出した作品に参加できて誇らしい」と胸を張る衝撃の愛の物語が、遂に日本に上陸する。


[STORY]

高名な政治家にも頼りにされる優秀な弁護士のピーターは、再婚した妻のベスと生まれたばかりの子供と充実した日々を生きていた。そんな時、前妻のケイトと同居している17歳の息子ニコラスから、「父さんといたい」と懇願される。初めは戸惑っていたベスも同意し、ニコラスを加えた新生活が始まる。ところが、ニコラスが転校したはずの高校に登校していないことがわかり、父と息子は激しく言い争う。なぜ、人生に向き合わないのか?父の問いに息子が出した答えとは──?

『The Son/息子』

[2022年/イギリス・フランス/英語/スコープサイズ/123分]G

監督・脚本・原作戯曲・製作:フロリアン・ゼレール 『ファーザー』

出演:ヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーン、ヴァネッサ・カービー、ゼン・マクグラス、アンソニー・ホプキンス

配給:キノフィルムズ

© THE SON FILMS LIMITED AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2022 ALL RIGHTS RESERVED.



天然コケッコー

2023年9月25日(月)10:00〜


“ はじめての同級生。はじめての恋。”

もうすぐ消えてなくなるかもしれんと思やあ、ささいなことが急に輝いて見えてきてしまう


[INTRODUCTION]

くらもちふさこの名作コミックを、『リンダリンダリンダ』の山下敦弘監督が実写映画化。自然豊かな田舎町を舞台に、少女の淡い初恋と成長を爽やかに描き出す。脚本は『ジョゼと虎と魚たち』の渡辺あや。くるりの主題歌&レイ・ハラカミの音楽が、作品を盛り上げる。


[STORY]

山と田んぼが広がる木村町。方言丸出しの中学二年生右田そよの通う、小中学生あわせても全校生徒たった6人の分校。そこにある日、東京からかっこいい大沢広海が転校してくる。初めてできた同級生との、楽しく過ごす毎日に、期待に胸膨らませるそよ。一方、面倒見のいいそよとは正反対で、ちょっと意地悪でとっつきづらい大沢。やがて、そよはそんな大沢が気になりだして・・・。


『天然コケッコー』

[2007年/日本/ヴィスタサイズ/121分]

出演:夏帆、岡田将生、夏川結衣、佐藤浩市、柳英里沙、藤村聖子

原作:くらもちふさこ「天然コケッコー」(集英社刊)

脚本:渡辺あや

監督:山下敦弘

音楽:レイ・ハラカミ

主題歌:くるり「言葉はさんかく こころは四角」

配給:アスミック・エース

(c)2007 「天然コケッコー」製作委員会



キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)

2023年9月25日(月)13:00〜


“ なにがあっても、生きる。”

第2次大戦下、領土を奪われ翻弄されるウクライナ、ポーランド、ユダヤ人の3家族が大地と子どもたちを守り抜こうとする運命の物語


[INTRODUCTION]

占領され続けるウクライナで、戦争でさえ奪えなかったものは

人種を超えた愛と歌に込めた希望

クリスマスキャロルとして有名な「キャロル・オブ・ザ・ベル」は、ウクライナで古くから歌い継がれている民謡「シチェドリク」に1916年“ウクライナのバッハ”との異名を持つ作曲家マイコラ・レオントーヴィッチュが編曲し、のちに英語の歌詞がつけられたものである。映画『ホーム・アローン』(90)内で歌われ、世界中に知られるようになった。

ロシアによるウクライナへの侵攻が始まることを予感していたかのように2021年、ドキュメンタリーを主戦場とするオレシャ・モルグネツ=イサイェンコ監督は本作を作り上げた。1939年1月、同じ屋根の下で暮らすウクライナ、ポーランド、ユダヤ人の3家族が第2次大戦に巻き込まれ翻弄されても「キャロル・オブ・ザ・ベル」の歌に支えられ、ひたむきに生き続ける姿は荘厳である。第2次大戦のウクライナ、ポーランドを舞台にした日常を生きる家族を通して戦争を描く、今を生きる全世代必見の映画がこの夏公開する。


[STORY]

1939年1月、ポーランドのスタニスワヴフ(現ウクライナ、イヴァーノ=フランキーウシク)にあるユダヤ人が住む母屋に店子としてウクライナ人とポーランド人の家族が引越ししてくる。ウクライナ人の娘ヤロスラワは音楽家の両親の影響を受け歌が得意で、特にウクライナの民謡「シェドリック」=「キャロル・オブ・ザ・ベル」は、歌うと幸せが訪れると信じ、大事な場面でその歌を披露する。第2次大戦開戦後、ソ連による侵攻、ナチス・ドイツによる侵攻、再度ソ連によって占領される。ポーランド人とユダヤ人の両親は迫害によって離され娘たちが残される。ユダヤ人の娘ディナ、ポーランド人の娘テレサの3人の娘たちをウクライナ人の母であり歌の先生でもあるソフィアが必至に守り通して生きていく。

戦況は悪化し、子どもたちを連行しようとソ連軍が家探しを始めるが、ソフィアが機転を利かせて最悪の事態は免れる。ナチスによる粛清によってウクライナ人の父の手に及び処刑されてしまう。残されたソフィアは、ウクライナ人である自分の娘、ポーランド人の娘、ユダヤ人の娘に加えて「この子には罪はない」と言ってドイツ人の息子を匿うことになるのだった…。


『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』

[2021年/ウクライナ・ポーランド/ウクライナ語/ビスタ/122分]G

出演:ヤナ・コロリョーヴァ、アンドリー・モストレーンコ、ヨアンナ・オポズダ、ポリナ・グロモヴァ、フルィスティーナ・オレヒヴナ・ウシーツカ

監督:オレシア・モルグレッツ=イサイェンコ 

脚本:クセニア・ザスタフスカ

撮影:エフゲニー・キレイ

音楽:ホセイン・ミルザゴリ

プロデューサー:アーテム・コリウバイエフ、タラス・ボサック、マクシム・レスチャンカ

英題:Carol of the Bells

配給:彩プロ

後援:ウクライナ大使館

(C)MINISTRY OF CULTURE AND INFORMATION POLICY OF UKRAINE, 2020 – STEWOPOL SP.Z.O.O., 2020